「お風呂は熱くないと入った気がしない!」
「カラスの行水で、さっと熱い湯に浸かって上がるのが好き」
もしあなたがそう考えているなら、少しだけ損をしているかもしれません。
実はお風呂の温度には、「40℃」と「42℃」の間に、天と地ほど違うスイッチが存在します。この温度の境界線を知らないまま入浴していると、せっかくお風呂に入ったのに「逆に疲れた」「寝付きが悪い」という悲劇が起きてしまいます。
今回は、自律神経の仕組みに基づいた「泥のように眠れる温度」について解説します。今夜、給湯器の設定ボタンを押す前に、ぜひ読んでみてください。
42℃は「戦闘モード」のスイッチ
結論から言うと、夜寝る前の42℃(熱いお湯)はNGです。
人間の体は、42℃以上のお湯に触れると「熱い! 危険だ!」と反応し、交感神経(興奮モード)を一気に高めます。すると、心拍数が上がり、血管が収縮し、体は「戦う準備」を始めてしまいます。これでは、ベッドに入っても脳が覚醒したままで、深い睡眠に入ることができません1。
熱いお風呂が許されるのは、「朝」だけです。
「今日は大事なプレゼンがある」「シャキッと目を覚ましたい」という朝に、サッと数分入るのは非常に効果的です。
40℃が「回復モード」のスイッチ
逆に、疲れを取りたい夜の正解は「40℃(または39℃)」です。この温度は、副交感神経(リラックスモード)を優位にします。血管が広がり、手足の先まで血液が巡ることで、筋肉の緊張がほぐれます。
さらに重要なのが、「深部体温」の変化です。
| 温度 | 体への作用 | おすすめのタイミング |
| 42℃以上 | 交感神経ON(興奮)、血圧上昇 | 朝、気合を入れたい時 |
| 40℃以下 | 副交感神経ON(リラックス)、血流改善 | 夜、疲れを取りたい時 |
花王の研究などでも、40℃のお湯に浸かった方が、お風呂上がりのポカポカ感が長く続くことが分かっています。
10分〜15分が黄金タイム
「ぬるいお湯だと温まらない」と感じる方は、入浴時間が短い可能性があります。40℃のお湯なら、10分〜15分じっくり浸かってください。長すぎると肌が乾燥し、短すぎると芯まで温まりません。
目安は「額にうっすら汗をかくくらい」。
スマホを持ち込んでも構いませんし、防水スピーカーで音楽を聴いても構いません。とにかく「10分間、お湯の中にいる」ことが、翌日のパフォーマンスを変えます。
まとめ:今夜から設定温度を変えよう
給湯器のパネルを見てみてください。もし「42℃」になっていたら、騙されたと思って「40℃」に下げてみましょう。
最初は物足りないかもしれませんが、お風呂上がりになっても汗がダラダラ止まらない不快感がなく、スッと自然な眠気がやってくることに気づくはずです。
最高の入浴剤は、高いバスソルトではなく「適切な温度管理」です。
